プレスリリース、2015年3月5日

第15回日本映画祭ニッポン・コネクション ~ 第一ハイライト

 

2015年6月2日から7日までドイツ、フランクフルト市で開催される日本映画祭ニッポン・コネクションは今年で記念すべき15回目の開催となります。小規模の学生プロジェクトとして始まったニッポン・コネクションは今では世界最大の日本映画祭となっています。早期の親密な雰囲気が今でも残っている映画祭に年に一度ドイツ及び世界中の映画、文化、日本ファンが集まります。6日間にわたり全ジャンルから100本以上の作品が上映され、その中には多くのプレミア上映も含まれています。また日本から数多くの映画関係者が訪れ、新作を本人自ら紹介します。更に多彩な文化プログラムで日本は紹介されます。

今回のニッポン・コネクションでは初めてルフトハンザより設立された「ニッポン名誉賞」が授与されます。日本映画に対する優れた功績を収めたとされる人物1名に贈られます。受賞者は本人自ら賞を受け取ることが出来るよう、映画祭初日の晩に行われる授賞式に向けて日本から渡航することになっています。受賞者の名前は映画祭直前に初めて明らかにされます。

また15周年記念における他の見所として、期間中の6月5日、6日にかけて第15回国際会議「Kinema Club XV」が開かれます。ここでは世界中から集まった専門家による、日本映画の現状に対する意見交換が期待されています。既に2007年にニッポン・コネクションはこの重要なカンファレンスのホスト役を務めました。

幾つかのタイトルは既に決定しています。中にハリウッドスターの菊池凛子が主演を務める、日米映画『クミコ・ザ・トレジャーハンター』があります。デヴィッド・ツェルナー監督によるこのロードムービーは、既にベルリン国際映画祭での上映で大成功を収めました。本映画祭においてドイツでの初公開を果たすのは、山下敦弘監督作のミュージックコメディー『味園ユニバース』です。映画祭でお馴染みの廣木隆一監督は今回2つの新作品、歌舞伎町のラブホテルを舞台にした『さよなら歌舞伎町』、そして大人のラブストーリー『娚の一生』をお届けします。また、2013年ニッポン・ヴィジョンズ・アワードの受賞者であるイアン・トマス・アッシュ監督の新作ドキュメンタリー映画『−1287』が上映されます。愛、金、幸せな、そして死についての奥深いポートレートです。もう一つのハイライトは安藤桃子監督による『0.5ミリ』です。多彩な登場人物と共に展開する、老いることをテーマにした繊細でユーモア溢れるこの作品は、世界の聴衆たちにこれまでほとんど見たことのなかった日本の姿を露にしています!

今年の回顧特集部門「ニッポン・レトロ」では相米慎二監督(1948−2001)を取り上げます。相米監督は日本では多くの若い映画製作者に影響を与えたものの、欧米ではほとんど知られていません。彼の13本の映画作品では長回しや並外れた美学、印象深い演出といった特徴が際立っています。監督の作品は漫画作品の映画化からエロティックなドラマ、ロードムービーにまで多岐にわたっています。国際交流基金(ジャパンファウンデーション)との協力の下、今回ドイツで初めて彼の作品集を観る事が可能になります。会場はドイツ映画博物館内の映画館です。

「ニッポン・カルチャー」部門では料理教室、ワークショップ、アート展、講演、カラオケパーティーやコンサートといった様々なプログラムが用意されています。例年の映画を観ながらの朝食、フィルムディナー、和食販売店やティーラウンジもあります。さらに今回もフランクフルト・グルメツアーが開催されます。また子供向けプログラム、「ニッポン・キッズ」でもいくつかの催し物が開催され、中にアニメーション作家である伊藤有壱氏(東京藝術大学教授)による子供達のためのアニメーションワークショップがあります。

【本映画祭について】

日本映画祭ニッポン・コネクションは非営利団体Nippon Connectionによる70人ほどのボランティアによって運営されています。この映画祭はフランクフルト市長ペーター・フェルトマン氏、坂本秀之総領事(在フランクフルト日本国総領事館)による後援のもとに成り立っています。主会場は2013年からKünstlerhaus Mousonturm(アーティストハウス・ムゾーン塔)とTheater Willy Praml in der Naxoshalle(ナクソスホール内にあるヴィリー・プラムル劇場)になりました。他のプログラムはMal Seh’n Kino(マル・ゼーン映画館)、ドイツ映画博物館、Ausstellungsraum Eulengasse(ギャラリー・オイレンガッセ)、そしてGDA Wohnstift am Zoo(GDA福祉施設フランクフルト動物園)で催されます。新しいプログラム開催地としては今回からDie Käs(ケース劇場)が加わりました。

 

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